投資情報会社・フィスコが4月17日~4月21日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。4月12日に発表された3月米消費者物価指数(CPI)はコア指数が前回から横ばいとなったものの、総合は予想以上に伸びが鈍化。翌13日発表の3月生産者物価指数(PPI)も弱い内容となり、インフレは鎮静化しつつあり、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針を弱める材料になる。また、これから本格化する企業決算も注目される。3月にシリコンバレー銀行をはじめ複数の中堅行が経営破たんに陥り、1-3月期は業績悪化が見込まれる。想定を超える落ち込みなら引き締め休止の見方が再浮上し、ドルへの下押し要因になりやすい。
一方、日本銀行は新体制発足後も現行の金融緩和政策を当面堅持する見通し。植田新総裁は4月10日の就任記者会見でイールドカーブ・コントロール(YCC)やマイナス金利を維持し、緩和政策を当面継続する方針を示した。日米金利差拡大が想定されることから、ドル円は下げづらい。日銀金融緩和策の早期修正を想定したドル売り・円買いは縮小しており、短期的にはポジション調整的なドル買い・円売りが増える可能性がある。
【米・4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(20日)
20日発表の4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は-19.0と、前月の-23.2から小幅な改善が予想される。ただ、マイナスは続くとみられ、製造業の低迷を嫌気した金利安・ドル安の要因になりやすい。
【米・4月製造業PMI】(21日発表予定)
21日発表の4月S&PグローバルPMI製造業が49.2と予想されている。FRBによる金融引き締め方針後退への思惑から、金利安・ドル安の手がかりとなりそうだ。