新宿、渋谷、池袋……都心の繁華街を歩くとよく見かけるのが、ド派手にデコレーションされた「宣伝トラック」だ。コンテナ部分にイベントやアーティストのPR文言や写真がデザインされていることが多いが、なかでも目立つのが独特なワードセンスが光るキャバクラやホストクラブのトラックだ。
東京都は4月、こうしたトラックに掲示する広告の「デザイン審査」の対象を、都内を走行する全車両に拡大する方針を固めた。現行の審査では都内ナンバーの宣伝車に限定しているため、都外から“抜け道”を通って風俗営業を宣伝する車が流入していたが、これによって一掃される可能性がある。
そもそもこうした広告宣伝車はどのような行程を経て、都内を走っているのか。新宿・歌舞伎町で26年間営業している老舗ホストクラブ「ロマンス(ROMANCE)」でCOO(最高執行責任者)を務めるGO氏に話を聞いた。同店は今年2月14日から27日にかけての2週間、初めて宣伝トラックを出したのだという。
「宣伝トラック事業を手がける会社を通して広告を出します。僕が知る限り3~4社ほどありますが、なかなか自分たちがやりたいタイミングで予約が取れない。26年目に突入する今年1月に2月14日からの予約が取れることがわかったので、約1か月間かけてトラックのデザインやスケジュールなどを組んで無事に掲出に至りました」(GO氏)
気になる費用は2週間で「180万円」
気になるのは14日間でかかる費用だが、一体、いくらかかるのか。GO氏が続ける。
「今年1月、14日間を走らせるための4トンスーパーロングのトラックの予約を取りましたが、車体レンタルから装飾、走行ルートプランニング、実走行とそれにかかるドライバーと燃料費までをパッケージにしたプランで150万円でした。これが1か月間になると倍近い金額になります。それ以外に、トラックのデザイン費に30万円ほどかかっています。デザイン会社が作った画像データを宣伝トラックの事業者が印刷して貼り付けして仕上げます。最短で5日間ほどで準備を整えてくれる会社もあるようですが、我々はきっちり1か月間ほどかかりました」