実際に「ロマンス」が走らせたトラックを見てみると、代表取締役の宇宙氏をはじめとした6人のホストたちの顔がズラリと並ぶ。そして背面には「顔面国宝」という“パワーワード”とともにホストの名前がデカデカと印刷されていた。
宣伝トラックを走らせる際は、デザインだけでなく「どのルートを走るか」というのも綿密に決められているのだという。GO氏が続ける。
「走行ルートはまず車がある千葉県・野田市を出発します。都内に入ると昼間は新宿以外の渋谷や原宿、表参道などを回ってもらい、夜は新宿をメインに走ってもらうようにお願いしました。各エリアで目印になるようなスポットや主要な道を通ってもらっています」
「ホスト」と「お客様」のモチベーションに
記者は以前、ホストクラブの宣伝トラックを三軒茶屋周辺で目撃したことがあるのだが、若者が密集するような繁華街以外を走ることもあるのか。
「基本的には渋谷や原宿といった街がメインなので、そのほかの街を走ることはないと思います。ただ、トラックの保管場所が野田など郊外にあることが多いので、そこから行きか帰りのルートで目撃されたのかもしれませんね」(GO氏)
規制対象になるほど乱立している訳だが、ホストクラブにとって、こうした街を走る広告宣伝車の「費用対効果」はどの程度あるのか。
「今回、創業26年で初めて出したトラックでしたが、スタッフはもちろんお客様からの評判も良かった。『トラックを見たよ』というお客様もいらっしゃいました。多少は売上増にも貢献してくれたので、大成功だと実感しています。今年7月にも走らせる予定があるので、それに向けて従業員のモチベーションは上がっています。
新規のお客様向けというのはもちろんなのですが、なかには『自分の担当ホストの顔をトラックに乗せるために頑張る』というお客様もいらっしゃいます。宣伝トラックは自社のホストとお客様のモチベーション向上にとっても非常に大事な役割を果たしてくれるんです」(GO氏)