「中国の爆買い」に買い負けている
かつて日本経済が強かった時代には、食料を買うためのお金に困ることはなかった。だが、日本経済は長期にわたって低迷している。世界的なインフレ、円安もあって、輸入食品の価格は軒並み高騰している。日本が今後も世界から食料を買えるとは限らないのだ。
中国の台頭もこの問題に影を投げかけている。経済的に力をつけた中国に、日本が「買い負ける」場面が増えているのだ。
高級和牛をはじめ、アメリカ産牛肉についても、中国が高値をつけるので、日本向けの価格も吊り上がる傾向がみられる。
水産物についても事情は同じだ。中国はもともと川魚を食べていたが、食生活の多様化によって、海の魚も輸入するようになった。いまや世界中の水産物を中国が高値で買っていくため、日本向けに売ってもらえなくなりつつある。
「1日3食イモ」に逆戻り
では、有事に我々は何を食べることになるのか。農林水産省が「国内生産だけで1日の必要カロリーをまかなう献立」を公表しているが、それによると、1日3食イモを食って過ごすことになる。牛乳は「6日でコップ1杯」しか飲めず、卵は7日に1回、肉にいたっては9日に12gしか食べられない。
実際、有事には学校の校庭などにイモを植えて食料を確保することも検討されているという。
つまり、日本人の食生活は“戦時中”に逆戻りすることになる。