40～70代の貯蓄額の平均値。貯蓄額は60代がいちばん多い
年金額に不安があるなら、受給開始を遅らせる「繰り下げ」という方法もある。現在、年金は原則65才で受給開始となるが、66才以降は1か月単位で遅らせることができ、遅らせれば遅らせるほど、受給額は増える。仮に70才まで5年繰り下げるとすると、年金額は1.42倍にもなる。
「スタンダードに、夫婦二人で65才から受給開始したときの年金額が夫婦で250万円だとすると、5年繰り下げれば355万円になります。夫と妻それぞれが、国民年金と厚生年金をどちらも自由に繰り下げできるので“受給額の大きいものだけを繰り下げる”“夫は65才から受給、妻は繰り下げる”など、うまく組み合わせてほしい」（三原さん・以下同）
いずれにしろ、いまのうちから何千万円も貯めこんでおく必要はないのだ。
「日常生活を支障なく送れる『健康寿命』の平均は、女性が75.38才で、男性が72.68才です。万が一、認知症になったら、自分のお金を自由に使えないどころか、自分の意思で財産を子供や孫に贈与できず、遺言書も書けません。後悔がないよう、元気なうちにお金を使うか、残るお金の行く先を決めるべきです」
※女性セブン2023年5月4日号
