「もともと野菜嫌いだったけれど自分で作ったものは別」
家庭菜園がもたらすのは自給自足生活や食の安全、お金の節約ばかりではない。医学界も家庭菜園に熱視線を送る。いのくちファミリークリニックの遠藤英俊院長が語る。
「畑仕事や植物を育てることで心身を健康にするガーデンセラピーが注目されています。特に認知症との相関関係は大きい。例えば昔から畑作業に親しんでいた認知症患者が “土いじり”をすると、土の耕し方や種のまき方などをほかの人にアドバイスするようになり、活動的になったとの報告が多くあります。外に出て太陽にあたり、野菜や花に水を与え、人と語らって実った作物や花を楽しむことが、脳にいい影響を与えると考えられます。
まず笑顔と会話が増えることで、思考や判断、行動などを司る脳の前頭前野の血流が増える可能性が高い。また畑で作業をしながら、『水は何回与えるのがいいかな』などと、体を動かすと同時に頭を使うことでも脳は活性化されます。収穫する喜びや成功体験を繰り返すことでさらに笑顔が増えて、好循環が生まれます」
農業歴5年の森永さんも健康効果を実感している。
「私は『ライザップ』のCMに出ていますが、農作業で1回畑に行くとライザップ2回分の運動量になる(笑い)。農閑期はジムに行かないと筋肉が落ちるんです」(森永さん)
野菜への苦手意識がなくなり、食べる喜びを満喫している。
「とれたての野菜を食べ慣れると、スーパーで売っている野菜では物足りなく感じるようになる。例えば同じミニトマトでも濃さや鮮度がまったく違う。もともと野菜嫌いだったけれど自分で作ったものは別。自然と野菜中心の生活になって健康にもいいんです」(森永さん)
今年はおいしいメロンに挑戦したい、と森永さんは意気込んでいる。
※女性セブン2023年5月4日号