家族のために、日本の食料自給率を上げるために、そして何よりあなたが安全でおいしいものを食べるために──いま家庭菜園に注目が集まっている。都内にある自宅の庭の一角を家庭菜園として利用しているタレントで俳優の杉浦太陽(42才)はこう語る。
「野菜が育っていくのを見る楽しさとか、作ったものを食べる喜びを家族にも感じてほしい一心で始めました。最初にみんなで栽培して収穫したのは小松菜。これは生で食べられるんだよ、って長女に教えて、それから小松菜とバナナのスムージーを作って飲ませたらすごく喜んで。その姿を見て、うまくいってよかった、ひとつ答えが出たな、と感じました」
杉浦は、妻・辻希美(35才)や子供たちとともに家庭菜園で収穫や農作業に勤しみ、その様子をブログやYouTubeなどで公開している。家庭菜園は「育てる喜び」も大きいという。
「そもそも自分で作ろうと思ったきっかけは、日本全国を旅するテレビ番組で生産者と触れ合い、そこで作り手の思いや苦労を聞いたこと。自分がいかに何も知らずに野菜を買って食べていたかに気づけたので、自分で栽培したら野菜のことをもっと詳しく知ることができて、育てる苦労や喜びを味わえるだろうなと思いました。家族にもそれを体験してもらいたいと考えて、最初は東京・練馬にある1坪のレンタル農園を借りて、野菜作りを始めました」(杉浦)
その後、第2子が生まれて多忙になったのでいったん畑を離れたが、数年前にまた1坪の農園を借りて野菜作りを再開し、昨年引っ越した新居の庭でも小さな菜園を始めた。これまで育てた野菜はいちご、なす、きゅうり、トマト、ブロッコリー、小松菜、パセリ、唐辛子と多岐にわたる。
「もちろん買った方が楽だけど、育てること自体が楽しいし、野菜は自分の子供のようにかわいい。手間をかけないとおいしくならないし放っておけば枯れてしまうけれど、小さな芽が実をつけて大きくなり、日々変わっていく様子を見ることにも心が躍ります」(杉浦)
楽しく育てるプロセスで、「花」と出会えることもうれしいと杉浦が続ける。
「トマトやオクラの花なんて、あまり見たことがない人も多いと思います。子供たちには、なすには紫の花が咲くんだよ、きゅうりの花は黄色だよ、と実際に見せながら教えています。花が受粉して実になる様を見るのは理科の勉強にもなる。家庭菜園は子供の教育にもいいんですよ」
そして無事に育て終えれば、「食べる喜び」が待っている。
「力仕事が多いので主な農作業はぼくが担当していますが、収穫は妻や子供の出番。みんなで行います。子供たちは好き嫌いはあるけど、自分で収穫した野菜は興味を持って食べようとします。とれたての野菜をスープやカレーにして食卓に出すと、『今日とった野菜だ』とすごく喜んでくれる。親としては、嫌いな野菜がひとつでも減ればラッキーという感じです」(杉浦)
※女性セブン2023年5月4日号