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有識者20人が選ぶ「次の経団連会長」に相応しい経営者ランキング 1位はトヨタ・豊田氏、2位はDeNA・南場氏

豊田章男氏の「経団連会長」に期待する声は少なくない(時事通信フォト)

豊田章男氏の「経団連会長」に期待する声は少なくない(時事通信フォト)

 日本を代表する大企業と業界団体で構成する巨大組織「経団連」。かつてそのトップである会長は「財界総理」と呼ばれ、政界にも影響力を有していた。それが現在は「次の会長」の候補者選びに難航する状態だ。有識者20人が選んだ“令和の財界総理”にふさわしい経営者は誰か(文中一部敬称略)。

人事には“暗黙のルール”

 日本経済復活の狼煙となるのか。今春、各業界で大企業の経営トップが次々と交代した。『経済界』編集局長の関慎夫氏が言う。

「ウクライナ危機の長期化や米銀行の破綻に始まる金融危機など、世界経済の先行きは不透明感が増すばかり。未曾有の状況で活路を見出すため、多くの企業が新リーダーのもとでの再出発を選んだのでしょう」

 日本は「失われた30年」と言われるように、長く景気停滞が続いてきた。その間、米国ではGAFAM【*】に代表される巨大IT企業が誕生し、世界を席巻。ジェフ・ベゾス、イーロン・マスクのようなカリスマ経営者が存在感を放っている。

【*GAFAM/米国の世界的IT企業「グーグル(G)」「アマゾン(A)」「フェイスブック(F)=現メタ」「アップル(A)」「マイクロソフト(M)」の5社の頭文字を取った略称】

 なぜ日本には経済全体を引っ張るような「リーダー」が出てこないのか。

 その一因として、戦後の政治にモノ申してきた「経団連会長」の地位低下、組織の機能不全を指摘する声がある。千葉商科大学教授の磯山友幸氏が言う。

「日本全体が猛烈に変わらなければならない時期だが、経団連は大企業の“既得権を守るための組織”として機能してきた部分が大きい。一時は『経団連が反対したことは10年以内に実現する』と揶揄されるほどの抵抗勢力になっていたのです」

 いまや「不要論」すらある経団連だが、閉塞感の背景には、「副会長経験」など会長人事を縛る“暗黙のルール”がある。『経団連』の著書がある古賀純一郎氏(茨城大学名誉教授)が言う。

「財界の総本山たる経団連の会長は、人物と出身企業の両方を勘案して現職の会長が選任します。どちらかと言えば出身企業の『社格』が重視され、トップとしての資質は二の次にされる。『民僚』と呼ばれる経団連事務方からすれば神輿は軽いほうがよいかもしれませんが、会長は政権党に働きかけて政策を誘導できる、重い立場でもあるのです」

 そうした指摘を踏まえれば、今後、日本経済の浮沈を左右するひとつの鍵は、次期経団連会長による“財界改革”と言えるのではないか。

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