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「預貯金の名義変更」は生前のほうが楽 最大のポイントは「贈与」とするか「相続」とするか

「預貯金の名義変更」は贈与と相続で何が違う?(イメージ。写真/AFLO)

「預貯金の名義変更」は贈与と相続で何が違う?(イメージ。写真/AFLO)

 財産を受け継いでいくなかで、必要となるのが不動産や預貯金の「名義変更」。生前か死後か、そのタイミング次第で有利不利が発生する。預貯金を子が受け継ぐ場合は、「死後の名義変更に手間がかかる」という特徴が見逃せない。相続に詳しい山本宏・税理士が解説する。

「亡くなった人の銀行口座は凍結されて入出金が一切できなくなります。預貯金を相続するには、銀行から遺言書ないしは遺産分割協議書や、戸籍謄本の提出を求められます。2017年5月からは戸籍を集める手間が省ける『法定相続情報証明制度』ができて以前より簡略化されたものの、一定の手間がかかる作業です。生前に預貯金を親から子へ移しておいたほうが楽だと言えます」

 資金の移動に際しては、子の口座に振り込むのでも、新たに子名義の口座を作るのでもいいという。ただし、注意点がある。

 最大のポイントは資金移動を「贈与」とするか、「相続」とするかの判断だ。預貯金の移動は税務署が把握できることを前提に考える必要がある。

「口座間の資金移動を贈与とするなら、贈与税の課税対象となります。ただし、『暦年贈与』なら、年110万円までは非課税。これまでは毎年、贈与契約書を作ったうえで110万円以内を贈与する節税策が一般的でした。

 ただ、来年分の贈与からは持ち戻し期間(相続発生時に、過去の贈与を相続財産に持ち戻す仕組みが適用される期間)が3年から7年に延長され、メリットが減じます。対して、計2500万円まで贈与税がかからない『相続時精算課税制度』を選ぶと、来年の贈与分からは年110万円の基礎控除が新設されるうえ、この基礎控除部分は持ち戻す必要がありません」(山本氏)

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