地下・地底アイドルはバイトも自由
業界内での扱われ方は、当然、地上→半地下→地下→地底と、序列に比例する。しかし稼ぎの面では、必ずしも地上アイドルがトップを走っているわけではない。
「地下アイドルはチェキの売り上げが主な収入源なので、知名度が低く、世間的に売れていなくても、毎回熱心にチェキ券を買ってくれる太客さえいれば安定した収入が得られます。コロナ禍でも、地下アイドルが所属しているような小さな事務所は柔軟に動きやすかったので、ボイスメッセージや動画を販売するネット物販でしのいだところもありました。大手芸能事務所だとなかなか思い切った動きはできませんから、地下ならではの強みだと思います」(同前)
支払い形式は各事務所の方針によるが、当然仕事量がギャラに直結する。坂道グループやAKBグループに所属していても、仕事の少ない“非選抜メンバー”の立場では、月収数万円が現実なのだとか。
「地上アイドルといえど、大人数グループになればたくさん仕事を回してもらえるのは、知名度のある数人のみ。それ以外は貧乏生活だけど、グループや事務所の名前があるのでおちおちバイトもできず、自宅で待機するだけの日々です」(アイドル事務所関係者)
一方の地下や地底アイドルは、メジャーレーベルや大手事務所の縛りもないためアルバイトもある程度自由だ。「現役アイドル」という肩書を武器にメイドカフェや執事カフェなど一定のコンセプトで営業するコンカフェでのアルバイト、といった副業で稼いでいる女性も少なくないという。
しかしそちらに軸足を置くと、本来のアイドル活動を見失うケースも多いのだとか。いやはやアイドルの世界も多種多様である。
※『マネー格差の天国と地獄』(ニューノーマル研究会編・小学館)を元に構成