投資情報会社・フィスコが5月1日~5月12日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週・来週のドル円は上げ渋りか。米経済指標でインフレ高止まりが示され、連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め継続を見込んだドル買いが入りやすい。ただ、景気後退(リセッション)入りへの警戒感が一段のドル買いを抑制しそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑止に向け、5月2-3日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの利上げを決定する見通し。今週以降に発表されるインフレ指標も物価高を示すと予想され、FRBの引き締めを見込んだドル買いが入りやすい。
米国企業の決算発表では中堅行の業績悪化で金融不安が再燃したが、収束に向かえばFRBのタカ派スタンスを後押ししそうだ。企業業績は強弱まちまちながら、全般的に収益は好調とみられ、今のところ金融政策への影響は限定的。ただ、経済指標は低調な内容が目立つ。4月27日の米1-3月期国内総生産(GDP)は大幅鈍化。インフレ指標が予想外に強かったため米金利高・ドル高に振れたが、リセッション懸念を強める内容で、年内利下げ開始の思惑につながりやすい。
一方、5月4日の欧州中央銀行(ECB)理事会は大幅利上げ継続の公算で、ユーロ買い・ドル売りが活発となった場合、ドル円は下押しされる見通し。ただ、日本銀行は現行の緩和政策を当面継続するとの見方から円売り地合いとなり、ドルなど主要通貨を支えるだろう。
【FOMC】(5月2-3日)
FRBは5月2-3日のFOMCで0.25ポイントの利上げを決定すると予想され、インフレ抑止への積極姿勢がドルを押し上げる要因となる。ただ、年後半の利上げ余地縮小が意識されれば、ドル買いを抑制しよう。
【米・4月雇用統計】(5月5日発表予定)
5月5日発表の米4月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人、失業率は3.6%の見通し。賃金の高止まりは金融引き締めを後押しする材料となろう。