大手牛丼チェーンの間でも、どのような注文方法が主に採用されているかはそれぞれ少しずつ異なっている。森永氏が続ける。
「すき家に行くと、店内で食べる場合は各席のタブレット端末で注文し、テイクアウトの注文のみが券売機というところがあり、その支払いはレジになっていました。それに対してタッチパネル券売機のある松屋さんの店舗では、店内飲食もテイクアウトも券売機を使ううえに、支払いも券売機でやる。それで手数が増えてしまうという面があるでしょう。一方、私がいちばんよく利用する吉野家さんは、注文から支払いまですべてがサービスだという考えで、お店に行くと口頭でオーダーして支払いも店員さんとやり取りしています」
「券売機があることの良し悪しは一概には言いにくい」
森永氏は、「私は昔から吉野家がいちばん好きで、口頭での注文も好きです」と話す。
「注文から精算まで券売機になると、店員さんと話す機会がなくなってしまいますよね。吉野家さんはねぎだくだとか、汁なしだとか、細かいことを言う人にも店員さんが対応してくれたじゃないですか。まあ、私も色々とやってみて、結局、普通の牛丼がいちばん美味しかったんですけど(笑)。それに、高齢者には口頭注文のほうがわかりやすくていいと思います。でも、若い人は話すのが嫌だと思うのかもしれません。だから券売機があることの良し悪しは一概には言いにくいでしょうね」
松屋を運営する松屋フーズホールディングスに、券売機のユーザーインタフェイスについて批判的な声がネット上で出ていることを尋ねると、次のような回答だった。
「食券ご購入に際してのご意見はいただいております。操作性の向上につきましては見直しを実施しておりますので、今後もご利用いただけますと幸いです。ご来店をお待ちしております」(総務部総務・広報グループ)