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【日本株週間見通し】日経平均は上値が重い展開の可能性も

日経平均は年初来高値を更新

日経平均は年初来高値を更新

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の5月1日~5月12日の動きを振り返りつつ、5月15日~5月19日の相場見通しを解説する。

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 5月第1週(1、2日)の日経平均は301.51円高と4週続伸。国内大型連休入りを前に様子見ムードが強まりやすい場面ではあったが、米国で経営難に陥っていた地銀ファースト・リパブリック・バンクの買収案がまとまったことで金融不安が緩和したほか、為替の円安が支援要因になった。

 連休明け第2週(8-12日)の日経平均は230.35円高と5週続伸。連休中には米地銀株の乱高下や米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げに否定的な見解を示すなどネガティブな材料があったが、米アップルの堅調な決算などが安心感につながった。また、国内企業決算が総じて底堅く、株主還元の強化策が相次いだことで個別株物色が活発になったことも支援した。さらに、週後半には米国の物価指標でインフレ鈍化が確認され、米金利が低下したことがハイテク株買いなどに寄与。結局、日経平均は週末には年初来高値を更新した。不安材料が少なく金融緩和の追い風が吹く日本株の資産配分比率を消去法的に増やしている海外投資家が多いとの声も聞かれた。

 今週の東京株式市場は上値の重い展開か。米4月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)でインフレの鈍化基調を確認し、米金利も大きく低下していることで安心感が生まれつつある。一方、米国では一部地銀の預金流出の動きが確認され、金融不安が再燃している。また、米連邦政府の債務上限問題が遅々として解消に向かわず、早ければ6月1日にも米政府の資金繰りが行き詰まる可能性が指摘されている。日米ともに主力企業の決算発表が一巡してきたこともあり、これよりは手掛かり材料も不足してくる。さらに、5月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出を通過したことで需給転換が意識されるタイミングでもあるため、調整局面への移行に備えておくべきだろう。

 米国では5月ニューヨーク連銀景気指数(15日)、5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(18日)のほか、4月小売売上高、4月鉱工業生産が、また中国でも4月鉱工業生産、4月小売売上高、4月固定資産投資などの重要経済指標が発表される。中国では国家版および民間版の製造業購買担当者景気指数(PMI)が景況感の拡大・縮小の境界値である50をともに割り込んだほか、11日に発表されたCPIとPPIはともに市場予想を下回った。今週の鉱工業生産と小売売上高では引き続き回復傾向が予想されているが、予想を下回れば改めて景況感の失速が意識され、機械など製造業セクターを中心に関連株の重しとなりそうだ。

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