学生時代に働いていた飲食店でアルバイト再び
メーカーに勤務する30代女性・Bさん(埼玉県在住)は、アニメや漫画原作の作品を舞台で演じる「2.5次元俳優」に夢中だ。
「昔、ほぼ公演全通(すべての公演に通うこと)したとがありますが、借金一歩手前でした。いまは無理のない範囲にしようと思い、土日の公演メインです。長年ファンをしているので、もはや子供たちを見守る母親のような気持ちになっていますが、それも生きる喜びにつながっています」(Bさん)
最近の物価高や光熱費の値上がり、残業の減少といった影響から、推し活費用が負担に感じるようになったBさん。昔アルバイトをしていた飲食店で、推し活予定のない土日だけアルバイトをするようになったという。
「土曜も日曜も公演をハシゴして4公演見る強行スケジュールを組むこともあり、お金が飛んでいきます。ただでさえ物価高で生活費にかかるお金が増えているうえに、さまざまなサブスク代もかさむので、学生のときに働いていた飲食店で副業しています。
“推し友”にも、副業をやっている人は珍しくありません。この前、仲間と集まったときに、夜の仕事をしている人が何人かいました。手っ取り早く高給だからと言っていましたが……」(Bさん)
そろそろ最推しのピックアップガチャがやってきそう
IT企業に勤務する20代男性・Cさん(都内在住)は、1年を通じてスマホゲームのガチャに振り回されて、家計が逼迫。パチンコ店閉店後の清掃アルバイトの副業をするようになった。
「多くのスマホゲームって、冬はクリスマス、正月、バレンタイン。春はホワイトデー、ゴールデンウイーク。夏は水着、秋はハロウィンみたいに、季節ごとに新キャラや限定キャラの復刻があるんですよね。
複数のゲームをプレイしているので、ほしいキャラが重なると大変です。もうすぐ“最推し”の復刻がありそうな気がするので、すでに1人引いていますが、最強にするにはあと6人同じキャラを引く必要があります。15万円ほど用意して万全を期すつもりです。それにかかるお金のことを考えると、パチンコ店の清掃バイトはまだまだやめられそうにありません」(Cさん)
推し活のジャンルは違うが、推しや好きなものへの出費を惜しみたくない気持ちは共通している。出費を削れない以上は、収入を増やすしかないということなのだろう。(了)