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業績絶好調「5大総合商社」の社風を比較 学生の志望動機は「海外で働きたい」から「起業したい」に変化

収益トップの三菱商事はバランスの良い事業経営で組織力を重視するという(時事通信フォト)

収益トップの三菱商事はバランスの良い事業経営で組織力を重視するという(時事通信フォト)

 この世の春を謳歌する「総合商社」。令和に入って業績は益々絶好調だが、実はその仕事内容や社員のキャラクターは大きく変化しているという。

 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5大商社のなかでも社風や風土にはそれぞれ特徴がある。経済ジャーナリスト・有森隆氏が語る。

「大きく分けて財閥系の3社と非財閥の2社。財閥系の三菱商事はバランスの良い事業経営で、組織力を重視する。三井物産は鉄鉱石など資源分野が強く、個が重視される自由闊達な社風。住友商事は堅実性を重んじ、“商社らしくない”と言われることも。この3社はグループに各業界の大企業がいる点が強い。非財閥系で伸びている伊藤忠商事は非資源分野が強い。丸紅は昔からチャレンジ精神を大切にします」

 社員の雰囲気にも違いがある。住友商事OBで一橋大学大学院非常勤講師の治良博史氏が語る。

「“組織の三菱・住友、人の物産・伊藤忠”と言われますが、物産と伊藤忠にはたしかにバンカラな社員がいる。それに比べると私がいた住友商事は個性が薄いですね」

 かつては財閥系3社が売上高や社員数で圧倒していたが、近年、非財閥系の2社も奮闘している。丸紅OBで『ビジネス交渉力の鍛え方』(セルバ出版)著者の生駒正明氏が語る。

「丸紅は昔から少数精鋭で、個人の裁量が大きい。個人が力をつけてグループの総合力で勝負している。現在は脱炭素、循環経済などグリーン化への取り組みが注目される」

 伊藤忠は世界最大の繊維商社だったが、今は岡藤正広会長を先頭にビジネスの選択と集中を進め、社員の意識改革や働き方改革を進めたことで爆発的に企業規模が拡大した。

 ただこうした伝統的な社風はあれど、近年入社する優秀な学生たちの志望動機は変わりつつある。

「昭和の学生は海外で働きたいから総合商社を志望したが、最近は幼少期を海外で過ごした人などが多い。『新規ビジネスを興したい。新しい仕組みを生み出す仕事がしたい』と起業家を志す学生が増えています」(有森氏)

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