投資

「個社要因」「需給」「地合い」 株価を動かす3つの要因を理解すれば投資のポイントが見えてくる

【主な要因1】個社要因

 個社要因とは、個別企業に関するニュースや発表で株価に影響を与えるものです。一番わかりやすいのが、業績の良し悪しや見通し。それによって株価が敏感に反応します。テレワークの浸透によって、急速に広まったオンライン通話ツール。私たちの周りでも、Zoomはなじみ深いと思います。ZoomはZMという銘柄コードで、米国株市場に上場しています。

 実際の業績推移を見ても、新型コロナが発生した2020年から前年比で4倍近い売上高成長率を記録し、この年の株価は年初から8.6倍になりました。

Zoom(ZM)の売上推移(『株式投資2年生の教科書』より)

Zoom(ZM)の売上推移(『株式投資2年生の教科書』より)

Zoom(ZM)の株価推移(『株式投資2年生の教科書』より)

Zoom(ZM)の株価推移(『株式投資2年生の教科書』より)

 株式は企業の利益を受け取れる権利ですから、企業の業績が急速に伸びれば、リターンを求めてその会社の株に買い注文が集まります。しかし2020年の10月以降、業績成長ペースに陰りが見られると、株価は急落。2022年12月では、株価はピーク時の8分の1まで落ちてしまいました。

 Zoomは極端なケースかもしれませんが、業績の成長率が株価に大きく影響を与えることを実感していただけたかと思います。特に話題の急成長企業は、業績が絶好調である間、株価も力強く急騰します。しかし、いざその成長ストーリーが崩れた瞬間に逆回転して、大暴落もよく起きるのです。

 業績だけではなく、企業の不祥事にも強く反応します。2015年5月に不正会計が明らかになった東芝。決算や配当が延期され、株価は急落しました。

東芝の週足チャート(『株式投資2年生の教科書』より)

東芝の週足チャート(『株式投資2年生の教科書』より)

 本来あってはならないのですが、売上がなかなか成長せず財務的に問題がある会社は、このようなリスクをはらんでいます。

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