オルカンとトレイサーズでは、どちらのほうが購入を検討するに値するのだろうか。柘植氏は信託報酬以外に投資信託を選ぶポイントとして「純資産総額」「運用実績」を挙げる。
「2023年4月にオルカンの純資産総額は1兆円を超え(5月23日現在、1兆889億円)、投資先としては抜群の安定性があります。資産規模が大きいほど株価暴落などのリスクに強い。トレイサーズは運用開始直後なので、まだ純資産総額と運用実績(オルカンの1年利回りは5.51%)が発表されていません。
また、トレイサーズの目論見書によると、“その他の手数料”として、通常は信託報酬に含まれる『目論見書の作成費用』などが運用実績により最大0.1%乗る可能性があると書かれています。仮に0.1%が乗ると、手数料は0.1525%とオルカンを超えます。トレイサーズの購入は、運用実績が出る1年後などに考えても遅くはないのでは」
どんな投資にもリスクはあるので、様々な角度からの検討が重要だ。
※週刊ポスト2023年6月9・16日号