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「標準負担額認定証」を受け付けない医療機関は法的に問題ないのか? 弁護士が解説

 患者が保険証を提示して保険診療を求めることは、被保険者として診療行為という保険の現物給付(療養給付)を受けるという申し出であり(受益の意思表示)、保険医療機関はこれに応じて患者に療養給付を行う公的義務を負います。その代わり、保険者が保険医療機関に対して一部負担金を除く診療報酬を支払う義務を負うというわけです。

 その仕組みの中で患者が「限度額適用認定証」を提出すれば、一部負担金中、自己負担の限度額を超えた部分は保険者が支払うのですから、医療機関が損失を被るわけではありません。

 その皮膚科の扱い拒否の理由はわかりませんが、高額医療だと患者は保険制度の利益を受けられない結果になります。さらには、限度額を超えた自己負担金を受け取りながら保険者にその医療費を請求しているとすれば、二重請求になり、保険医療機関の登録が取り消される可能性があります。

 しかるべき措置をとっていただけるよう、地方厚生局に情報提供してはいかがでしょう。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2023年6月15日号

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