投資情報会社・フィスコが6月5日~6月9日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の一部メンバーが利上げ休止の可能性に言及したが、今週発表の経済指標が市場予想を上回る内容だった場合、金利高・ドル高の基調は継続しよう。6月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、フィラデルフィア連銀総裁は利上げの見送りを支持するとしたほか、ジェファーソンFRB理事は政策の据え置きについて政策金利のピークと解釈すべきでないと発言した。
ただ、市場は経済指標の内容次第と見ているようだ。5日発表の5月ISM非製造業景況指数は前月から改善の見通し。好不況の境目である50を上回れば追加利上げを後押しする材料になりそうだ。足元で発表されたコアPCE価格指数やJOLT求人件数などFRBが政策判断に重要視する統計もやや強く、引き締め見送りの観測を弱める要因となる。主要国の中央銀行はタカ派姿勢を後退させており、利上げ余地を考慮すればドル買いが多少強まる可能性は残されている。
一方、債務上限問題は関連法案が上下院で可決され、まもなく成立の見通しとなった。米国の債務不履行(デフォルト)を懸念したリスク回避の米ドル売り・円買いは縮小しつつあるが、日本銀行による金融緩和政策の堅持が見込まれていることから、主要通貨に対する円売りがドル円相場を下支えする展開も予想される。
【米・5月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)
5日発表の5月ISM非製造業景況指数は52.5と、前月の51.9から改善の見通し。想定通り堅調な内容なら、FRBによる金融引き締め政策を後押しする材料となり、金利高・ドル高に振れやすい。
【米・新規失業保険申請件数】(8日発表予定)
8日発表の米新規失業保険申請件数は小幅ながら増加傾向にあり、雇用情勢の改善は一服しているもよう。引き続き申請件数の増加は引き締め方針を弱める材料となり、金利安・ドル安が見込まれる。