「タワマンよりも低層マンションが落ち着く」
同じ富裕層に見えても、タワマン住民と低層住民の“違い”を指摘するのは不動産ジャーナリストの榊淳司氏だ。
「そもそもタワマンが好きなのは地方出身で、一代で財を成したニューリッチたち。彼らは『成功の証』としてタワマンに住みます。一方で東京育ちの筋のいい富裕層は、『タワマンは成金が住むもの』とみなして、番町や表参道、松濤や代々木上原などの上品な低層マンションを好みます」
東京・浜田山の20戸ほどの低層マンションに住む60代女性が語る。
「赤坂や白金台のタワマンにも住みましたが、やっぱり低層マンションは品があって落ち着きます。タワマンの景色は綺麗だけど、人が作った美しさは飽きが来ます。
いま住んでいるマンションには緑が豊かな庭があり、朝は鳥の囀りで目が覚めるんです。イギリスのチャールズ国王も、『高い建物は醜い』と言って、好きではないそうですよ」
いまや「勝ち組の象徴」は低層マンションになりつつあるのかもしれない。“富裕層のタワマン離れ”はどこまで進むのか。
※週刊ポスト2023年6月23日号