人生100年時代といわれるいま、国民年金や厚生年金だけを頼りに人生設計を立てるのは厳しくなっている。豊かな老後の生活を送るために貯蓄や投資をする人も多いが、“もらっていない人が111万人もいる年金”があるのも事実。それが「企業年金」だ。
年金の基本的な仕組み「公的年金」と「私的年金」
老後にもらえる年金のうち、自分がもらえるのはどれなのか、まずは把握することが大切だ。別掲の図を見ると、公務員・会社員の年金は自営業などよりかなり手厚いことがよくわかる。
ひと口に年金といってもさまざまあるが、大きく分けると「公的年金」と「私的年金」がある。
「日本の『公的年金』は、国が運営する年金で、国民年金と厚生年金に分けられます。国民年金は、20才以上60才未満のすべての国民が加入する年金。それに対して厚生年金は、公務員や会社員が加入する年金です。厚生年金加入者は国民年金にも加入するため、国民年金に上乗せすることになります。企業年金は、国の行う公的年金ではなく私的年金で、あくまで各企業が任意で行っている制度です」
そう解説するのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。
日本の年金制度は、2階建てや3階建ての家にたとえられるが、それは国民年金の上に厚生年金や企業年金を上乗せする形になるためだ。
「先ほど説明した通り、企業年金は任意のものなので、すべての企業が実施しているわけではありません。あくまで社員が老後をより豊かに過ごせるように、会社が福利厚生の一環として行うものです。そのため規模の大きい会社ほど実施するケースが多いですね」(荻原さん・以下同)