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「ナチスの財宝」は捜索終了 「黄金列車」「山下財宝」「徳川埋蔵金」ほか、世界中の人々を魅了し続ける埋蔵金伝説

 埋蔵金探しを冒険の一種と見るか、金銭欲にまみれた浅ましい行為と見るかは人それぞれだろうが、少なくとも昨今の埋蔵金探しにはエンタメ色が強く感じられる。帝国主義が最高潮に達した19世紀末から20世紀初頭にかけての、エジプトやイラク、ギリシアなどで行われた発掘競争には国威発揚や名誉欲に加え、歴史観や歴史認識を含めた文化支配の思惑が見え見えだっただけに、それらに比べると、現在のトレジャーハンターは可愛くさえ見えてくる。

 もっとも、オランダのオメレン村は押し寄せるトレジャーハンターに辟易してか、早々に金属探知機の使用禁止措置を打ち出した。今後は埋蔵金探しそのものも禁止とする旨、声明を出している。外野で見る分には娯楽として楽しめるが、地元の反応は両極端なようである。

【プロフィール】
島崎晋(しまざき・すすむ)/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。『ざんねんな日本史』、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』など著書多数。近刊に『featuring満州アヘンスクワッド 昔々アヘンでできたクレイジィな国がありました』(共著)、『イッキにわかる!国際情勢 もし世界が193人の学校だったら』などがある。

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