日本では保護者に、子供に義務教育を受けさせるという「就学義務」が課される。小中学校は、いわゆる一条校【※】といわれる「義務教育校」と「各種学校」とに分かれるが、インターは後者が大半で、たとえ卒業しても日本の義務教育を修了したことにならない。
【※/学校教育法の第1条で規定される学校。小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園をさす】
「そのため、インターに子供を通わせる保護者の中には、小学校の6年生の一時期だけ公立に編入させ、義務教育を受けたという“形跡”を残す人もいます。私立の高校や大学の中には、インターの国際的な卒業資格があれば入学できるところもありますが、インターに通うことで進学先の選択肢が狭くなるのは事実だと思います」(都内在住のBさん)
何でも叶えてくれる「魔法の学校」ではない
インターには一般の小中学校にはない、グローバルな教育という最大の魅力があり、得難い経験ができる。だが、前出・萩原氏は「インターは何でも叶えてくれる魔法の学校ではない」と言う。
「インターを理想の教育の場としてイメージするかもしれませんが、決して完璧ではありません。お金に余裕があるからこそ“本当に自分の子供に必要な教育か”を吟味せずに入学させ、後になって私のところに相談に来る保護者もいます。
日本の学校教育というのは、日本で生きていく人たちに向けて作られているものなので、義務教育を終わらせれば、日本で支障なく生活できるようになります。インターに通わせることで、それがごっそり抜けることを忘れてはいけません」
日本にありながら、まったく異なる文化を持つインターナショナルスクール。知れば知るほどカルチャーショックを受ける。
※女性セブン2023年6月22日号