東大合格者ランキングの上位にいるような“誰もが認める進学校”ではないが、地域の公立校でも、難関大学への進学実績に定評がある学校は少なくない。そんな公立校出身者の中には「大学に入って、自分が通っていたのは『自称進学校』だったと気づいた」と明かす人たちがいる。彼ら/彼女たちが大学入学後に感じた、“本物の進学校”出身者との違いとは──。
地元では“時の人”扱いされるのに…
現在、難関国立大学に通う20代女性・Aさんは、九州出身。自分の出身高校について「自称」進学校だと謙遜するようになったのは、上京して大学に通い始めてからだった。Aさんが通っていたのは地元の公立で2番手と言われる学校。現役での大学進学率も全国上位だが、なぜ「自称」と思うようになったのか。
「高校時代、自分の学校は、校則が“緩い”と思っていたんです。頭いい学校だから緩いのかな、みたいな(笑)。県内の他の学校では、髪を留めるゴムが黒のシンプルなものしかダメなところが多いのに、うちはシュシュが許されていて、それだけで浮かれていました。でも上京したら、いわゆる『本物の進学校』のなかにはほとんど校則がないところもあって、服装も髪型も自由など、その緩さのレベルの違いに驚きました」
そんなAさんは、高校での指導方法の違いについて言及する。
「東京の人は、予備校に通っていた子も多いのにびっくりしました。私は塾には一切行かなかったのですが、今思うと、地方はそもそも予備校がほとんどないし、行くのも大変なので、学校がめちゃくちゃしっかり指導しようとするのかな、と思います。
例えば、私の通っていた高校では、1時間目~6時間目以外にも別カリキュラムの授業があって、学校の勉強だけで毎日パンパン。高3の受験期になると、19時頃まで放課後課外授業がありました。とにかく“学校が一番”なんですよね。でも、東京のガチ進学校出身の人は、受験期になると、予備校での授業や自分の勉強を優先するため、自主的に学校を休む日を作っていたと聞き、衝撃でした。勉強のために学校を休むなんて考えられない」(Aさん)