「きれいになった奥様を見たらご主人も許してくれますよ」
「これくらいなら自分でもお小遣いの範囲で受けられる」と思ったカンナさんだが、実際にクリニックに問い合わせて足を運んでみると、広告とはかけ離れた見積金額を提示されてしまうことになる。
「こんな低価格でコンプレックスが解消できるなら試してみたいと思い、大手美容外科クリニックのカウンセリングを受けました。でも、そこで提示された額は60万円以上。広告に書かれていた金額は『糸リフト1本分の値段』だというのです。他にも小顔効果が期待できる脂肪吸引や目の下のクマ取りなども提案されたのですが、月8万円のパート収入しかないのでさすがにこれは厳しいと感じてしまいました」
結局、最初に提示されたプランを契約したカンナさん。当初の想定よりもはるかに高額な出費となった。
「辞めようと思ったのですが、クリニックのスタッフさんは『最初はご主人に内緒で始められる方が多いですよ』『分割払いもありますので』『きれいになった奥様を見たら、ご主人も許してくれると思いますよ』とアドバイスされ、心が動きました。
結局、思い切って生活費の口座のお金を使い、施術を受けることにしたんです。毎日悩み続けるくらいならやってしまった方が良いと思ったのも大きな理由の一つでした」
施術後は顔のたるみや目の下のクマが改善され、満足のいく結果となったものの、夫にどうやってカミングアウトすべきか悩んでいたという。しかし、あっさりとバレてしまう。
「『顔、小さくなったね。どうしたの?』とすぐに指摘されました。最初は私の変化に喜んだのかと思い、思い切って美容整形の経緯を話すと、夫はとてもショックだったようで落ち込んでしまいました。
私が生活費を使い込んだこと、相談せずにやってしまったことがいけなかったようです。でも私は夫にも非はあると思っています」