2023年6月16日に政府が閣議決定した「骨太の方針」では、労働市場改革に重点が置かれ、終身雇用や年功序列といった日本型雇用の弊害が指摘された。雇用の流動化を推進すべきだという方針だ。
今後、国内企業でも雇用の安定は保証されなくなり、成果主義や能力主義が推進され、さらに高収入会社員たちの経済的な安定はなくなっていく。タワマン文学が謳う「タワーマンションに住んで、SAPIXに子どもを通わせ、御三家に合格させる」という夢はさらにハードルが高いものになっていくだろう。
（了。第1回から読む）
【プロフィール】
杉浦由美子（すぎうら・ゆみこ）／ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』（PHP新書）がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』（青春出版社）も話題に。『中学受験ナビ』（マイナビ）では小説『ボリュゾっていうな！～ギャルママが挑む“知識ゼロ”からの中学受験』を連載。
