Aさんはいまもトラブル回避の手段として、優先席から距離を置いている。
「見た目ではわからない場合もあるのに、なぜビクビクしながら優先席に座らなくてはならないのか。トラブルに巻き込まれたくないし、不快な思いをしたくないでので、近づかないようにしています」(Aさん)
周りの状況に常に気を配らないといけない
不動産会社に勤務する30代男性・Bさんも、優先席に座らないことにしていると明かす。やはりAさん同様、トラブルに遭ったことがあるためだという。
「以前は、優先席でも空いていれば普通に座ってたんですよ。僕は電車のなかでも端っこの席が好きで、端っこは大体優先席なんですよね。
でも、そこに座ってスマホを見ていたら、一度、近くに座っている人に『ペースメーカー入れてるんだけど!』と言われて睨まれました。たしかに私も不注意だったと思い、バッグに入れようとすると、『電源を切りなさい!』と頭をはたかれました。言われるままに電源を切り、次の駅で降りました」
Bさんは、「優先席は周りの様子に気を配らないといけない」という。
「優先席なので、仮に僕が座れたとしても、次にヘルプマークやマタニティマークをつけている人とか、体の不自由な人、高齢者、乳児連れの家族なんかを見かけたら、譲らないといけないという意識があるので、ぼーっとしていられません。
一度、普通に眠かったので爆睡していたら、『寝た振りしやがって』と高齢男性に舌打ちされました。それで起きたぐらいです(笑)。いろいろと落ち着かないので、座ることをやめました」(Bさん)