Aがさらに人気になったらこの金額は上がりますし、不人気になったら下がる。その場合は「来月から1000万円下がり、○万円になります。ぜひともよろしくお願いします」といった営業電話が事務所から来ることもあるわけです。
さらに、広告モデルとして契約をする場合は、「イベントに1回登場すると○百万円」やら「ウェブ動画はプラス○百万円」など細かく設定されており、冒頭で引用した報道のように「広末の現在のCM出演料は1社あたり約3500万~4500万円」と推測であれ、公の場で書くのは難しいのです。しかも、「御社とは長い付き合いですから、本来4000万円のところ、1000万円でいいですよ!」と事務所が提示することだってある。
ここまで広告契約って複雑なので、本当に「違約金○億円報道」は真に受けない方がいいですよ。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『捨て去る技術 40代からのセミリタイア』(インターナショナル新書)。