新卒で入った会社というものは、何かと思い出深いもの。転職したとしても同期との仲が一生続いたりすることもあるし、当時の上司・先輩がその後も色々と面倒見てくれたり、場合によっては仕事を発注してくれたりすることもする。元上司・先輩たちと、長きにわたって良好な関係を築くコツはどこにあるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、自身の経験を踏まえて、解説する。
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私は大手広告会社に新卒で入社したのですが、わずか4年で辞めました。その後はフリーランスとしてずっと活動してきたのですが、来週、元いた会社の同じ部署で一緒に働いていた先輩社員2人と東京で飲むことになりました。
Aさん(男性)は、今年57歳で会社にまだいます。Bさん(女性)は今年56歳で、数年前にフリーのPRプランナーになり、仕事をバリバリとやっています。そんな私ももうすぐ50歳になります。22歳の時に初めて会ったわけですが、今でもこうして会ってくれて本当に感謝しています。私の妻も同業者なのですが、AさんとBさんには、夫婦ともどもお世話になりっぱなしなのですから。
当時、私のいた部署には5人の社員がいましたが、週に4回は飲んでいました。今の時代だと「仕事とプライベートを分けて考えたいのにあり得ない!」「アルハラだ!」と言いたくなるかもしれませんが、我々はとにかく毎晩でも一緒に飲みたかったのです。そんな我々のグループの売上は若手5人だけの部署にしてはかなり高く、グループリーダーのCさんも局(「部」の上の概念)では高く評価されていました。
こうした「飲み仲間」的な関係性は1年数か月続き、部署解散から24年経ってもこうして会うわけです。私は現在、佐賀県唐津市に拠点を構えていますが、今度、東京に行く用事があり、それを知った先輩たちが「だったら会おうぜ!」と言ってくれたのです。