これまでもトヨタは、人気車の納期を少しでも早めるため、多くの施策を行った上で、まずは上級グレードから生産。価格帯の高いモデルから投入することで注文の集中を緩和し、その後に「ちょっと頑張れば手に入りそう」という、お買い得感のあるモデルを遅れて投入する作戦を展開し、少しでもユーザーの心理的な負担を減らしているのも事実です。新型アルファードも同じように500万円オーバーのモデルを出した後に300万円台後半から400万円台を、ということもあるかもしれません。
しかし、高額車であってもこれほどの人気車になってしまうと、より買いやすくなったモデルは、果たしてどのようになるのか……。ちなみに今後、より高額なるプラグインハイブリッド車(PHEV)の投入も予定されています。ラインアップが充実すればするほど、人気は過熱することになるかもしれません。
全世界的に、多少は物事が解消されてきたとはいえ、いまだに供給問題の解決には時間を要するでしょう。いまや「いつかはアルファード」を叶えるには金銭的な問題以上に「納期を待つ忍耐」まで必要になったのかもしれません。少しでも早く「欲しいときに欲しい車が買える」ようになってほしいものだと、新型アルファードのデビューの場で強く思いました。
【トヨタ・アルファード Executive Lounge・ハイブリッド・E-Four】
価格:872万円
全長✕全幅✕全高=4,995✕1,850✕1,935mm
ホイールベース:3,000mm
車重:2,230kg
最小回転半径:5.9m
最低地上高:150mm
トランスミッション:CVT
駆動方式:4WD
エンジン:直列4気筒 2,487cc
最高出力:140kW(190PS)/6,000rpm
最大トルク:236Nm(24.1kgf・m)/4,300~4,500rpm
フロントモーター:交流同期電動機
最高出力:134kW(182PS)
最大トルク:270Nm(27.5kgf・m)
リアモーター:交流同期電動機
最高出力:40kW(54PS)
最大トルク:121Nm(12.3kgf・m)
燃費:28.6km/L(WLTPモード)
最大トルク:188Nm(19.2kgf・m)/4,400~5,200rpm
フロントモーター:交流同期電動機
最高出力:83kW(113PS)
最大トルク:206Nm(21.0kgf・m)
燃費:17.5km/L(WLTCモード)
【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/自動車ライター。男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。