逃げられないプレッシャー
20代女性・Bさんは昨年から飲食店で働いているが、いまだに電話対応には慣れないという。
「接客自体は苦手ではないんですが、電話は苦手。予約日や時間を聞き間違えていないか、いつも不安です。なかにはいたずらのような、変な電話をかけてくる人もいて……。先輩からは慣れの問題だと言われましたが、いまだに電話からは逃げたい気持ちです。そう、メールとかなら無視したり削除してしまえばいいのですが、電話って逃げられないんですよね。それがもう恐怖です」(Bさん)
周囲に電話の会話を聞かれることも、ストレスに感じる原因になっているという。
「言葉遣いなどが失礼ないものなのかどうか、いつも緊張します。それを周囲に聞かれていると思うだけでプレッシャーになり、ますます上手く話せなくなります」(Bさん)
「暇そうな上司が出ればいい」
20代女性・CさんはIT企業に入社して2年目。「もう電話がなくなればいいのに」とボヤく。
「会社に入って、固定電話があることが新鮮に映りました。うちにはないので……。そもそも、全員がスマホを持っているのに、固定電話がある意味がよくわかりませんでしたが、外線とか、社内連絡、緊急用などで必要という話でした。
でも、その固定電話は6つぐらいデスクが並んでいる島に一つだけなんです。基本的に最若手の私が取ることになっていますが、電話に出るのは嫌いですね。近いところで暇そうにしている上司が出ればいいのにと常々思っています。こっちは忙しいのに……」(Cさん)
家庭では固定電話がなくなりつつあるが、職場ではまだまだ現役。電話文化に馴染みの薄い若手社員たちにとっては、恐怖の対象となっているようだ。(了)