これは取材せねばなるまい。ということで、花王に訊いた。
界面活性剤で蚊を飛べなくし、気門を塞ぐ
──どのような仕組みで蚊を駆除するのか。
「界面活性剤により、撥水性のある蚊の羽や表面が水に濡れやすくなることにより、蚊の飛行行動が阻害され、落下します。さらに、蚊の体には気門と呼ばれる外界と体内の呼吸器をつなぐ出入り口がありますが、気門が濡れることにより、ガス交換が阻害され、蚊の動きを止めることになると推察しています」(花王・企業PR戦略部、以下同)
まだ製品化は未定だが、噴霧して蚊を駆除するタイプの製品が想定され、蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの被害が深刻な地域で提供できるよう開発を進めているという。
──御社が研究したのは「蚊」への効果だが、蚊以外の害虫にも効果はあると考えられるか。
「害虫のサイズや自重の重さによると思いますが、基本的には昆虫・害虫の体は疎水性(*編注/水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくい)の性質なので可能性はあると思います」
これは期待大と言えるかもしれない。