個人同士での取引はトラブルになりやすい
Nさん(52才女性)は自治体の無料講習でホームヘルパーの資格を取り、主婦業の傍ら独居高齢者の派遣ヘルパーを始めた。
「年を重ねてからも続けられると思って50才になったのを機に始めました。食事の準備、買い物代行、掃除など業務内容が決まっているのに“これもお願い”と雑用を頼まれることもしばしば。“契約外です”とやんわり断ると“老人を見殺しにするのか”と逆ギレ。男性利用者は手を握ったりキスを迫ったりとセクハラ三昧で、もう二度とやりたくありません」(Nさん)
元小学校教員のMさん(57才女性)を悩ませた副業は電話の悩み相談だ。
「話を聞くだけと軽く考えていたらとんでもなかった。突然逆上して“このあほたわけ!”と暴言を吐く、延々同じ話を繰り返す厄介者ばかりでした。人様の役に立てればとがんばりましたが、相談者に逆恨みされた同僚に殺害予告が来たとき、限界を感じて身を引きました」(Mさん)
Tさん(70才女性)は副業でペットシッターをする友人から「一度だけ代わってほしい」と頼まれた。
「身内が急病になったとのことでした。面倒をみるのはトイプードル。小さい犬ですし、昔、犬を飼っていたこともあったので散歩だけなら大丈夫だろうと引き受けました」(Tさん)
しかし当日の散歩中、自動車のクラクションに驚いた犬がものすごい勢いで走り出し、Tさんはリードを手放してしまった。見失ったTさんは迷子になったペットを捜すペットレスキューに捜索を依頼。4時間後、飼い主の自宅近くで犬は見つかったが安堵する間もなく、友人との「銭闘」が始まった。