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関係性の悪いきょうだいをどこまで背負わなければならないか 面倒を見る法的義務は“原則ない”

法的にきょうだいの面倒を見る義務はどこまであるのか?(写真:イメージマート)

法的にきょうだいの面倒を見る義務はどこまであるのか?(写真:イメージマート)

 外出をほとんどしない状態が長期間続く「引きこもり」の人は、15~64才で推計146万人おり、増加していることが2022年の内閣府調査でわかった。多くの場合、彼らの生活費は親が払っているが、親の死後、そのお鉢はきょうだいである自分に回ってくるかもしれない──そう心配する人が増えている。

「きょうだいとの関係」について本誌・女性セブン読者3462人にアンケートを行ったところ、絶縁までした人が全体の約2割にあたる551人もいた【※注】。

【※注/『女性セブン』の読者(全国の20~80代既婚女性)3462人が回答(回答期間2023年6月24~26日)】

 主な理由としては、金銭トラブル、親の介護問題、相続トラブル、きょうだいの配偶者との仲違いが多かった。しかしこれらは引き金でしかない。絶縁するほど関係性が悪化するには、積年の恨みが関係しているようだ。埼玉県在住の49才会社員・Sさんは言う。

「2才上の兄は習い事をたくさんさせてもらい、大学の学費まで払ってもらったのに、私は女だからと大学の学費を出してもらえず、全額奨学金。いまは親と同居し、介護を私ひとりでやっていて兄は知らぬ存ぜぬ。それなのに親からは、“家と土地と現金のほとんどを長男に相続させる”という遺言書を用意したと言われました。不公平すぎるので親が死んだら兄には二度と会いません」

 きょうだいとの仲は、育てられ方の格差が大いに関係していることが今回のアンケートでわかった。とはいえ、家族である事実は変えられない。かかわりたくないきょうだいの世話をしなければならなくなったら、どうすべきか。

自分の生活を犠牲にしてまで助ける義務はない

「“きょうだいの問題は、家族である自分が背負わなければならない”と思い込み、相談に来られる人が増えています」

 とは、弁護士の野口敏彦さんだ(「」内以下同)。

 しかし、これは間違い。負債の清算は本人の義務なので家族が担う必要はなく、面倒を見る義務も“原則ない”という。

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