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関係性の悪いきょうだいをどこまで背負わなければならないか 面倒を見る法的義務は“原則ない”

「民法877条は《直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある》と定めていますが、家族でも関係性によって扶養の程度は異なります。配偶者や未成年の子に対しては『生活保持義務』があり、生活が苦しくても自分と同水準の生活を保障する義務があります。しかし、きょうだいや成人した子、老親には『生活扶助義務』のみ。自分の地位相応の生活をしても余力がある場合に、できる範囲で面倒を見ればいいとされています」

 もしきょうだいが生活保護を申請し、行政から扶養照会が来て援助の可否を問われたとしても、自分の生活で精いっぱいなら拒否できるのだ。

 そうはいっても、現実的には見捨てられないかもしれない。しかし、法律でそう定められていると知っておくだけでも、救いになりそうだ。

【プロフィール】
野口敏彦さん/弁護士。「弁護士法人龍馬あおやま事務所」所長。一般社団法人「OSDよりそいネットワーク」の副代表として、中高年の引きこもりの子を持つ親やきょうだいから相談を受けることが多い。

※女性セブン2023年7月27日号

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