投資情報会社・フィスコが7月17日~7月21日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。米インフレ指標の鈍化を受け、連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めシナリオ修正の思惑からドル売りが優勢となった。今月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合での利上げ再開は織り込まれたが、金融引き締め長期化への期待は後退した。FRB内では年2回の利上げで調整を進めているもようだが、市場では7月が最後との憶測も広がり始めた。FRBのタカ派方針緩和を見込んだドル売りに振れやすい地合いが続くだろう。対照的に、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行はタカ派姿勢を維持し、ユーロやポンドはドル売りに押し上げられる見通し。
一方、FRBの今後の金融政策をにらみ株高に振れやすい。ただ、18日発表の6月小売売上高は改善が期待されるものの、20日発表の7月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)はマイナスが予想され、株売り要因になりやすい。本格化する企業決算の内容も材料視されよう。銀行破たんの影響などで業績が圧迫されれば、目先の景気後退(リセッション)への警戒が強まり、株安・円買いの展開が想定される。
また、日本銀行の金融緩和修正は想定しにくいものの、市場は期待が先行。円買い圧力が主要通貨を下押しし、ドルは下値目途の135円に向けた値動きとなりそうだ。
【米・6月小売売上高】(18日発表予定)
18日の米6月小売売上高は前月比+0.5%と、前月の+0.3%から改善する見通し。想定に沿った内容なら27日発表の4-6月期国内総生産(GDP)速報値のプラス成長が期待され、ドル買い要因に。
【米・7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(20日発表予定)
20日発表の7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は-10.2と、前月の-13.7から小幅改善が予想される。ただ、マイナスは続くと予想され、製造業の景況感の悪化を懸念した金利安・ドル安の要因になりやすい。