キャリア

【専業主婦からの挑戦】ドムドムフードサービス社長・藤崎忍さん 50才にして初めて学んだオフィススキル

18年間の専業主婦生活の後、「渋谷109」の店員、居酒屋開業、ドムドムフードサービス社長という異色の経歴を歩んできた藤崎忍さん

18年間の専業主婦生活の後、「渋谷109」の店員、居酒屋開業、ドムドムフードサービス社長という異色の経歴を歩んできた藤崎忍さん

 ある日、仕事をしなくてはならない状況となった専業主婦が、ついに社長となった──。日本初のハンバーガーチェーン「ドムドムハンバーガー」を運営する株式会社ドムドムフードサービス代表取締役社長・藤崎忍さん(56才)が、主婦から社長になったその経緯を振り返る。

 * * *
 私の人生が一変したのは、忘れもしない39才のときでした。墨田区議会議員だった夫(当時52才)が、東京都議会議員選挙に立候補しましたが、落選。その直後、心筋梗塞で倒れてしまったんです。当時、私は専業主婦ですから、夫が倒れて、わが家の収入はゼロに。それどころか、選挙費用の借金も残っていますし、当時15才だった子供の教育費もかかります。私が働くという選択肢しかなかったわけです。

 とはいえ、私は短大を卒業すると同時に21才で結婚。就職経験もパート経験もナシ。18年間ずっと専業主婦です。とりあえず知人に就職先を相談したところ、「母が経営する『渋谷109』のアパレルショップで働かない?」と声をかけてくださったんです。

「渋谷109」といえば、当時はギャルの聖地。ローライズデニム(※股上が浅いデニムパンツのこと)からTバックを見せる、エロかっこいい系ファッションが人気で、店員も“見せるための下着”なんていうのを、身に着けていました。アラフォーの私には衝撃的でしたよ(笑い)。

 私の周りの店員もお客さまも10代や20代の女の子ばかり。彼女たちは自分のファッションに自信を持っていて、全身から「私を見て!」というオーラを放ち、輝いて見えました。保守的な環境で育った私にとって、彼女たちは新鮮で刺激的。自分が見てきた世界の狭さを知りました。

居酒屋の女将と夫の介護を両立

 ところが5年後、会社の経営方針が変わり、「渋谷109」で働けなくなったんです。そこでどうしようかと考え、店を立ち上げることにしたんです。

 だって私には何のスキルもなかったんですから……。エクセルもできないし英語も話せない。44才でその状態なのに一般企業に就職できるのか。さらに当時夫は要介護4の状態でしたので、介護もしなければならない──。

 つまり起業は必要に迫られての選択でした。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。