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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「ネットで揶揄の対象になることに理不尽さを感じる」 豪雨災害時の土砂撤去作業を手伝って感じたこと

 その道中、まったく土砂が撤去されていない道路がありました。とある家の前です。理由をカフェ店長に聞いたところ、こう答えられました。

「ここは県道なんですよ。県道であれば、県庁の管轄で片付けてもらえるので、この家が片付けなくてもいいです。ただ、ウチの前は県道ではないので、自分でやらなくてはなりません」

 その後、我々は温泉で汗を流し、ビールを飲んだのですが、最後に出た言葉はただ一つ。「また困ったら言ってくださいね。オレは運転はできないので、誰かの車に乗せてもらうことになりますが、いつでも行きますんで」。今回の唐津・七山の豪雨被害を受けてのレポートでした。あんまり「風物死」と面白がるのもどうなのか……と思った次第です。現在復旧のためのクラウドファンディングも実施されています。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『捨て去る技術 40代からのセミリタイア』(インターナショナル新書)。

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