貯蓄から投資へ──資産形成への関心の高まりや株価の上昇を背景に、個人の投資熱が高まっている。だが、銀行や証券会社が勧める金融商品には、複雑かつ高リスクな商品が含まれている可能性がある。では、初心者でも手がけやすい「低リスク」で「ローコスト」な金融商品はどのようなものか。その選び方を専門家に聞いた。
手数料ゼロ商品もある
投資初心者でも比較的安心な金融商品にはどんなものがあるのか。経済ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。
「一般的には日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するよう運用される『日本株式インデックス』型の投信で、なおかつ値動きがわかりやすいETF(上場投資信託)であれば、販売手数料がかからない(ノーロード)商品も多いので、初心者にお勧めと言えるでしょう」
さらに、「資産価値が目減りするインフレリスクの備え」として森岡氏が勧めるのが、「先進国債券型インデックス」だ。
「格付けの高い世界の先進国債券を投資対象に運用する商品です。株式より値動きが小さいうえ、先進国の債券に分散投資しているので暴落リスクが少ない。インフレによる現預金の目減りが顕在化する今、どちらかと言えば『資産を守る』ために活用できるものです」
一方、大江氏が勧めるのは、低コストの「全世界株式インデックス型」投信の毎月積立購入だ。
「世界の株式を対象に算出される株価指数との連動を目指して運用される全世界型投信を毎月一定額で積立購入すれば、世界中の株式に分散投資をしたのと同じ効果が得られます。世界経済の成長に伴う株価上昇の恩恵を享受できるので、投資初心者にもお勧めです」