ローリスクとはいえ、投信には二の足を踏んでしまう向きに大江氏が勧めるのは「国債購入」だ。
「リスクを取りたくない人は、まず『個人向け国債 変動10年』がお勧めです。多少の時間的ズレがあったとしても、将来の物価上昇や金利上昇が起こった際にある程度対応できるうえ、元本が保証されて1年経てば解約も自由。最低1万円から購入でき、リスクを取らずに資産を守ることにつながります」
リスクが低く、資産の安定した運用が望めるこれらの金融商品を初めて購入する場合、やはり窓口のある銀行や証券会社で相談するべきだろうか。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏はこう言う。
「投資を始める場合は『証券口座の開設』が必須です。手続き時に質問しながらサポートが必要な場合は、実店舗窓口を持つ銀行や証券会社が身近で便利でしょう。この場合、一般的に1~3%の購入時手数料を支払うことになります」
金融庁の調査によると、「投資信託の平均販売手数料」(2022年度上期)は、大手証券会社で2.2%、地銀で1.6%、都市銀で1.0%、ネット証券で0.1%となっている。
「購入時の手数料が最も抑えられるのはネット証券です。ノーロード商品も多く、低コストで投資を始めることができるのは魅力ですが、証券会社とはチャットやメールでのやり取りが主体になるので、テキストのやりとりに慣れていない人が始めるにはハードルが高いかもしれません」(同前)
AIに任せる手も
そんな丸山氏が初心者に勧めるのが、AIを活用した「ロボアドバイザー投資」(ロボ投資)だ。
「ロボ投資とは、年齢や金融資産などを登録すると、金融アルゴリズムに基づいたプログラミングが資産運用の助言をしたり、実際に投資信託の運用を代行してくれるサービスです。私も2018年8月から実践し、毎月2万円の積立をして、現在の運用収益はプラス22%になりました」