近年、インスタグラムに美容整形に関する投稿が散見されるようになった。たとえ美容整形クリニックのアカウントにアクセスしなくても、美容関連の投稿を見た履歴から、ストーリー(24時間で消える投稿)やおすすめ欄にレコメンドされる仕組みだ。その内容は二重まぶた整形の「ビフォアフ(ビフォーアフター)」と呼ばれるコンテンツや、「バッカルファット」と呼ばれる頬の脂肪除去、顔のたるみを引き上げる「糸リフト」、また「鼻フル(鼻フルコース)」と呼ばれる鼻の整形など、様々だ。
クリニックのPR投稿を含むこれらの美容整形コンテンツは、モニター料金で格安で施術できることを謳ったものも多く、投稿に登場する患者には高校生や中学生も見受けられる。こうした整形投稿を見て、自分の容姿に対するコンプレックスが助長されたと悩む若者は少なくない。
私立大学に通う女性・Aさん(20歳)は語る。
「はじめはインフルエンサーのアカウントから、整形投稿を見るようになりました。一重まぶたの子が綺麗な二重になる投稿がおもしろくて、興味本位で見ていたんです。そこから、鼻の整形画像が出てくるようになって。『鼻フル』のビフォアフ投稿で『ハンプ除去』といって、わし鼻の部分を削ってプロテーゼを入れる施術があると知りました。
私は生まれつきにわし鼻なのですが、それが他人にとって整形をするほどのコンプレックスなんだと思い始めたら、自分の鼻がすごく恥ずかしくなってきて……。今はお金もないのですぐに整形はできないけれど、鼻が気になりだしてからはずっと鼻整形の投稿を検索して見るようになっています」(Aさん)