【2】業績相場
金融緩和の効果で実態経済が回復すれば、企業の業績が改善され株価も堅調に推移します。景気悪化で落ち込んでいた企業業績はV字回復し、消費も堅調に。世の中全体がイケイケムードで、素直に好業績な銘柄が買われます。ただし、株価が全体的に高くなり、実力以上に買われる銘柄も出てきますので、高値づかみが起きやすい相場です。割安な銘柄を発掘できれば、大化けする可能性も十分あります。
【3】逆金融相場
景気が上向き、企業の業績が拡大すると、次第に過熱感が出てきます。消費や投資が活発に行われ、インフレ率が期待以上に上昇してしまうため、それらを冷やすために中央銀行は金融引き締めを行います。金利を引き上げることで、お金を借りにくくし、わざと景気を冷え込ませます。
実際の肌感としては、景気は悪くないのに、株価が下げやすくなるのが逆金融相場の特長です。発表される企業業績も悪くないので、株価が下げても腑に落ちず、ナンピン買い(株価が下げてきたときにさらに買い増しすること)をしたり、塩漬けになる銘柄が出てきやすい局面です。
逆金融相場では、景気が今後落ち込むと予想されるため、景気に敏感な業種は売られやすくなります。一方、景気に関係なく必要とされるインフラや生活必需品、医薬品などは、比較的安定しています。また財務が健全な会社も好まれます。
【4】逆業績相場
金融引き締めの影響で、実態経済が冷え込んだ状態です。街角でも「景気が悪いねえ」といった会話が聞こえてきます。
金融引き締めで金利が上昇していますので、高金利のメリットを享受できる銀行や保険会社の株が注目されます。株式市場全体が低迷しており、通常だと手が出ないような超優良銘柄も割安になっていることが多いため、目利きの投資家にとっては仕込みどきでもあります。
今がどの相場かを意識しておく
おおむねこの4つのサイクルを回りながら、景気は変動しますが、その長さや深さはまちまちです。中央銀行の政策のタイミングやスピードによっても変わります。今現在、どの相場サイクルにあるのか、次はどこに向かっているのかをつねに意識し、投資戦略を立てることが重要です。そのためには、まずは、日銀の金融政策決定会合と、FOMC(連邦公開市場委員会)の動向を観測する習慣をつけることをおすすめします。