実際、育休を3回取得している社員と、独身社員との間で不公平感があるとか、すぐには代替要員が見つからないため、経営者が悩んでいるといったアンケート結果もあります。それでも育休を通じて、少子化に歯止めをかける必要性は否定できません。
そこで育休中、会社は育休者への給与の支払い義務がないですし、これらの資金を基金にして会社がさらにお金を拠出、そして、育休者のいる職場の社員と協議をし、残業手当とは別に、何らかの手当を支払う等の協定を締結することも検討できます。他にも育休の社員の給与を減額しないことができるのは、資金が潤沢な会社だと思います。それなら職場に、人材を補充するよう要求すべきです。
育休から復帰する社員が、他の社員から不満に思われ、心理的に円滑復帰できなくなっては会社にとっても損失でしょう。ならば、職場の同僚から祝福される出生であるように、できるだけの努力を会社に促してみてはいかがですか。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2023年8月11日号