7月28日に開かれた日銀金融政策決定会合にて、YCC(イールドカーブコントロール)の修正がおこなわれた。それを受けて、国内外ともに市場が乱高下する局面があった。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが、YCC修正後の市場の反応をふりかえり、今後の相場の注目ポイントについて解説する。
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7月28日に日銀金融政策決定会合がおこなわれました。会合前後で為替、株式ともに大きく乱高下しています。今回の日銀会合の結果を振り返りながら、今後の見通しを考えてみたいと思います。
日銀のYCC修正とは
7月28日、金融市場が大きな動揺を見せました。日銀が金利運用方針であるYCC(イールドカーブコントロール)を修正(正確には「柔軟化」と表現)したことが、大きな原因です。
10年物国債の金利は、会合前は日銀により0.5%以上にならないように指値オペを通して保たれていましたが、この修正により、金利が0.5%を超えた場合でも、必ずしも日銀が金利を押さえ込むわけではなくなりました。日銀・植田和男総裁は、10年金利の変動幅を「プラスマイナス0.5%程度とすることが適切」との見解を示しています。
これは市場の自由な動きを一定程度認めるという新たなスタンスであると同時に、インフレ目標を達成するためには、一定の金利上昇を許容する必要もあるという考えと捉えられます。