「就職に不利になる」
就職のために取得した人もいる。メーカーに勤務する30代男性・Bさんは、MT免許のほうが就職に有利だという話を耳にして、MT免許を取得したという。
「会社によっては社用車がMT車のことがあるから、MT免許を取っておいた方がいいと父親に言われました。忠告通り取ったものの、実際はAT車。正直、同じ車でMTとATがあったら、僕は迷わずATを選びますね。教習所以来MTには乗っていませんよ。
MTは運転とか、その操作が好きな人ならいいとかいいますが、僕の場合、車は走ればいいので。今思えばMTの路上講習は苦労しましたが、MTにこだわらず、AT限定で免許を取って、必要なら限定解除してMT車に対応すればいいだけですよね」(Bさん)
MT車はおろか今では車を運転しない
金融機関に勤める40代女性・Cさんも、実生活ではAT車しか運転したことがない。
「MT免許だと言うと、同世代以上だと決まって『女性なのにすごい』『なんでMT?』と言われます。単純に、私の地元ではMT免許を取る人が多かったので、その流れでした。特に男性はほぼ全員がMT免許だったように思います」
九州出身のCさん。自営業で、軽トラックやワゴン車など複数台を所有する親の影響もあり、「免許はMTが当たり前」という認識だった。しかし、神奈川県出身で東京で出会った今の夫は、AT限定だという。
「東京は、車を持っていない人や、免許を持っていない人も多いんですよね。地域や育った環境で考え方は変わってくるんだろうなと思いますが、MTは免許を持っていても乗らないですね。
今はATの自家用車がありますが、夫が乗る専用で、私はペーパードライバー状態。MTを取った意味? ないです(笑)。でもまあ、その時はそれが最適解だと思っていたので、仕方ないですよね」(Cさん)
MT免許を取得したものの、MT車を運転する機会に恵まれず、AT限定で十分だったと感じる人は意外と多い?(了)