投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月31日~8月4日の動きを振り返りつつ、8月7日~8月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は566.48円安の32192.75円と反落。週の前半と後半でムードが一変した。週前半の日経平均は7月31日に412.99円高、8月1日に304.36円高と大きく上昇。米6月個人消費支出(PCE)コアデフレーターが鈍化したことでインフレ収束期待が高まった一方、前の週末の金融政策決定会合での日本銀行の政策修正は依然として金融緩和的であるとの解釈から為替の円安が進行していたことが追い風になった。トヨタ自動車<7203>の予想を上回る決算で投資家心理が改善したことも寄与した。
しかし、週後半の2日、3日はそれぞれ768.89円安、548.41円安と大幅に下落。米財務省による中長期債の発行規模の拡大などを背景とした米長期金利の上昇に加え、国内の長期国債先物の下落も警戒感を誘い、利益確定売りが膨らんだ。ただ、週末は国内長期金利の上昇が一服したことが目先の安心感を誘ったほか、米雇用統計を控えた様子見ムードから、日経平均は一時32000円割れを見たが、小幅高で終えた。
今週の東京株式市場は神経質な展開か。国内では企業決算の発表がピークを迎える。個別株物色が活発化することで、相場の下支えに期待したい。一方、今週は米国で10日に7月消費者物価指数(CPI)、11日に7月卸売物価指数(PPI)が発表される。
米7月CPIは総合および食品・エネルギーを除いたコア指数ともに前月比+0.2%と前回6月分と同じ伸びが予想されている。一方、前年同月比では総合が+3.3%と6月(+3.0%)から加速する見込みで、コア指数は前年同月比+4.8%と6月分と同じ伸びが予想されている。CPI総合の前年同月比は2022年6月の+9.1%をピークにその後は毎月鈍化が続いていた。ある程度は織り込み済みとはいえ、CPIコア指数が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である2%を大幅に上回ったままであるなか、CPI総合の伸びが1年ぶりに加速に転じるとなると、インフレ高止まりが想起される。既に4%を超えて約9カ月ぶりの水準にまで上昇している米10年債利回りの一段の上昇にもつながりかねない。
また、米7月PPIは総合および食品・エネルギーを除いたコア指数ともに前月比+0.2%と前回6月分(+0.1%)から加速する見込み。前年同月比ではコア指数は+2.4%と6月分と同じ伸びになる予想だが、総合は+0.7%と6月(+0.1%)から加速する見込みだ。