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【日本株週間見通し】神経質な展開 米CPIと日米長期金利の動向に注意

 3日には、サウジアラビアが原油の自主減産を1カ月延長する方針を発表したほか、減産を一段と長期化あるいは規模を拡大させる可能性もあるとし、原油市況の高騰を招いた。足元は日米の長期金利の上昇が株式市場の警戒感を高めているタイミングでもある。コモディティ価格の上昇や米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待、予想を上回る米雇用関連指標、米財務省の中長期債の発行規模の引き上げなどを背景に金利の先高観が高まっているなか、CPIとPPIの発表後の金利動向には注意したい。

 日本国内でも、長期金利の動向が警戒材料だ。先週は長期国債先物の下落傾向が続き、国内の新発10年物国債利回りは大きく上昇した。3日の午後には日本銀行が臨時の国債買い入れを実施したにもかかわらず、長期金利が低下したのは一時的ですぐに低下分を埋める動きとなっていた。日銀を試すことを目的とした、海外投機筋と思われる向きからの国債売りが入っていると思われる。こうした中、米物価指標が上振れて米長期金利が一段と上昇した場合には、国内の長期金利の上昇が再開する可能性があろう。

 国内では8日に6月毎月勤労統計調査が発表される。現金給与総額は前年同月比+3.0%と前回(+2.5%)から加速する見込み。一方、賃金の伸びは依然として物価上昇率に追いつかず、実質賃金総額は同-0.9%と15カ月連続でマイナスが予想されている。ただ、実質賃金総額は前回(-1.2%)から減少率がさらに縮小する見込みで、プラス転換に向けた改善トレンドが続いている。これら指標の上振れは本来、脱デフレ体質という構造的な変化を示唆するもので長期的にはポジティブな材料だが、短期的には日銀の追加政策修正への思惑を強めるきっかけとなり得る。

 なお、7月東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI)は前年同月比+4.0%と41年3カ月ぶりの高水準を記録し、+3.7%への鈍化を想定していた市場予想に反して6月(+3.8%)から加速していた。多くの市場参加者が7月の金融政策決定会合以降、日銀の年内の追加政策修正はないと予想しているなか、仮に政策修正観測が高まる場合には、国内長期金利の上昇ペースが速まる可能性がある。米国と合わせて日本の長期金利の動向に注意を払いたい。

 今週は7日に日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7月27-28日開催分)、6月景気動向指数、8日に6月毎月勤労統計調査、6月家計調査、7月景気ウォッチャー調査、中国7月貿易収支、9日に7月工作機械受注、中国7月CPI、中国7月PPI、10日にオプションSQ、7月企業物価指数、米7月CPI、11日に米7月PPI、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。

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