年利4%なら18年、年利6%なら12年で“倍増”が実現するのだ。
「もちろん、1~2年といった短い期間では、投資した株式などが値下がりすることもあります。しかし、10~20年といった長いスパンで見れば、経済全体の成長に沿って年平均で数%の運用益は十分に目指せます。とくに20代の人が60代になった時を見越して投資するようなケースでは、期間が長い分、リスクが分散されます」(北村氏)
60歳からでも、70歳からでも、この考え方は基本的に変わらない。人生100年時代といわれるなかでは、70歳でも20年後の暮らしを考えておく必要がある。長い目で考えた投資を始めるのは60歳でも、70歳でも遅くないということだ。
「残りの人生が短いと考えて、短期で大きなリターンを得ようとハイリスクの投資に走るのは間違いです。中高年の場合、損失が出てしまった時に“取り戻すための時間がない”と焦って、さらにリスクの高い投資で損を膨らませてしまう悪循環に陥りがちです。10年単位のスパンで考えて最初はお小遣い程度の少額で始め、退職金を全額運用に回すようなことは避けるべきです」(北村氏)
初心者が手を出すべきではない投資も
投資対象も様々あるが、どのような考え方で選んでいくといいのか。
「株式や投資信託といったインフレに強い金融商品に分散投資していくことが基本となります。株がインフレに強いといわれるのは、物価上昇局面では企業が自社製品の価格を上げて増収となるため、それに連動して株価が上昇すると考えられるからです。もちろん製品価格に転嫁できない企業は業績が悪化するため、銘柄の見極めが必要です。一方、投資信託は少額で分散投資が可能な仕組みのため、初心者にとってはよりハードルが低いでしょう」(北村氏)