拡大するベーシックインカム導入論
しかも、AI(人工知能)が急速な進歩を見せ、ホワイトカラーの仕事を奪うとの見立てもいよいよ現実味を帯びてきた。
将来不安が募るばかりの状況に、最近では全国民に一定額の現金を毎月無条件で政府が支給する「ベーシックインカム(以下、BI)」(=最低生活保障)の導入を求める声も大きくなっている。
こうした国民の声に呼応し、日本維新の会は次期衆議院選挙の目玉公約の1つとしてBIを掲げる方針だ。同党は、2021年の衆議院選挙でも公約に盛り込んだが、より現実的にすべく「段階的導入」へと修正を図るのだという。
馬場伸幸代表は7月に行われた与野党5党首による論戦で、支給金額や対象者の絞り込みに関して検討を進めていることを明らかにした。
誰しも、いつ病気などで働けなくなるか分からないというリスクを抱えて生きている。もしBIが導入されて、必要最小限の収入を政府が保障してくれるようになれば、精神的にはかなり楽だ。そうなれば、さまざまな分野にチャレンジする若者も増えそうである。
だが、そんな “夢のような政策”ならば、なぜ自公政権はこれまで導入しないできたのか。