BIは古くから提唱されてきたアイデアだ。多くの国が導入していてもよさそうだが、そのような話は聞かない。なぜならば、BIはあまりにも非現実的だからだ。
そもそも本来のBIとはどういうものか
BIとは、暮らすのに不可欠な基礎的水準の金額を、年齢や雇用状況といった条件を一切付けずに全国民に給付する制度である。
そもそも、日本維新の会が公約に掲げようとしている案も、給付額や対象者の絞り込みをすると言っている時点で、本物のBIとは異なる。
日本維新の会は、与党との政策の違いを強調したいがために、あえてBIだと説明し続けるだろうが、明らかに別の代物だ。やろうとしていることは現行制度の修正であり、自民、公明両党と大きな違いはない。
フィンランドや米国などいくつかの国で試験的に実施されている政策もあるが、実態は条件付きであったり、複雑になり過ぎた制度を簡素化したりしているだけだ。これらも本物のBIには程遠い。
こうした似て非なる“疑似BI”ならばともかく、本物のBIがなぜ非現実的かと言えば、必要となる財源があまりに巨額だからだ。
BI導入に一体いくらかかるのか
本物のBIを実際に導入するとなると、どれぐらいの財源が必要となるのか試算してみよう。